Webの開発環境を構築する
第1回 Webサーバ構築
最近のインターネット網の発展もあり、おそらく一般の人が最初に触れるコンピュータシステムはWebのシステムという事になると思います。
Webシステムといっても難しく考える必要は無く、
掲示板であったり、
ニュースサイトであったりと、
ごく一般的に見かけるWebページは例外無く裏でシステムが構築されています。
Webページを公開した事がある人なら一度は接した事があるかもしれませんが、少し凝った事をやったり、
データと連携するページを作成するには
Perlなり、
PHPなりのプログラムを使用する事になります。
その時に最初に行き詰るのは、折角作成したPerl等のプログラムが実際に
Webサーバに公開すると動かない・・・という事ではないでしょうか?
今回の「Webの開発環境の構築」では、作成したPerl等のプログラムをWindows上にて実際に動かす環境を作って、
少しでも効率の良いプログラムの作成が出来る様に環境を整えるという事を主題において進めて行きます。
あくまでも開発用の環境の構築になりますので、自宅サーバ用途等のセキュリティの対策は今回は対象としていません。
以上の事を踏まえた上で記事を読み進めて下さい。
今回のシリーズでは、WebサーバのデファクトスタンダードであるApache上にて、Perl、PHP、MySQL、更にRubyの環境を構築して行く事にします。
それでは、早速、本題に入りましょう。
まずは、Webサーバでは一般的に使われているApacheの環境を構築します。
(Apache 2.0.59)
- Apacheのサイト
- Windows版のバイナリのダウンロード先
- Apacheのインストール
ダウンロードをしたapache_2.0.59-win32-x86-no_ssl.msiをダブルクリックして、インストールを開始します。
Nextボタンをクリック
「I accept the terms in the license agreement」を選択しNextボタンをクリック
Nextボタンをクリック
テスト環境用に以下を入力しNextボタンをクリック
- Network Domainにlocalhost
- Server Nameにlocalhost
- Administrator's Email Addressにhoge@localhost
「Typical」を選択しNextボタンをクリック
インストール先にd:\usr\を入力しNextボタンをクリック
- この様に指定すると勝手にApache2のディレクトリが、その下位に構築されます
Installボタンをクリック
Apacheのソフトウェアのインストールが開始されます
インストール途中にWindowsXP等ではセキュリティの警告が表示される事がありますが、
「ブロックを解除する」ボタンをクリックしてください
(インストールしているパソコンからのみのアクセスの場合は解除の必要はありません)
「Installation Wizard Completed」の画面が表示されたらインストールは終了です
- Apacheの設定
インストールしたディレクトリ配下のconfディレクトリにhttpd.confファイルがあります
テキストエディタ(秀丸やメモ帳など)で開き、ファイルを編集します
- URLマッピングを使用可能な設定
mod_rewriteはURLマッピングを可能とする便利なモジュールです
使用可能にしておきましょう
#LoadModule rewrite_module modules/mod_rewrite.so
↓ 前の#を外す
LoadModule rewrite_module modules/mod_rewrite.so
- Apacheのドキュメントルート以下のディレクトリの設定
インストール後はデフォルトでインストールディレクトリ配下のhtdocsがWebのトップになります
DocumentRoot "D:/usr/Apache2/htdocs"
<Directory "D:/usr/Apache2/htdocs">
Options Indexes FollowSymLinks
AllowOverride None
Order allow,deny
Allow from all
</Directory>
↓ 以下の様に書き換えます
DocumentRoot "D:/usr/Apache2/htdocs"
<Directory "D:/usr/Apache2/htdocs">
※デフォルトの文字コードを設定
AddDefaultCharset shift_jis
※CGIの実行を許す
Options Indexes FollowSymLinks MultiViews ExecCGI Includes
Allow from all
※.htaccessで全てのディレクティブを許す設定
AllowOverride All
※自端末からの要求のみ処理
Allow from localhost
</Directory>
- CGIがどのディレクトリにあっても良い様に設定
ScriptAlias /cgi-bin/ "D:/usr/Apache2/cgi-bin/"
<Directory "D:/usr/Apache2/cgi-bin">
AllowOverride None
Options None
Order allow,deny
Allow from all
</Directory>
↓ 全てコメントにします
# ScriptAlias /cgi-bin/ "D:/usr/Apache2/cgi-bin/"
# <Directory "D:/usr/Apache2/cgi-bin">
# AllowOverride None
# Options None
# Order allow,deny
# Allow from all
# </Directory>
- 拡張子が pl のファイルもPerlのCGIと見なす様設定
#AddHandler cgi-script .cgi
↓ コメントを外し、.plを追加
AddHandler cgi-script .cgi .pl
- 編集したファイルを保存して、Apacheを再起動する
Apache Service Monitor を使用して、Apacheを再起動します
Stopボタンを押して、停止する
Startボタンを押して、開始する
ステータスが緑色に変われば再起動完了
以上で設定は終了です
- Apacheの動作確認
インストールしたディレクトリ配下のhtdocsの下に、testディレクトリを作成します
Apacheのhtdocsの下に作成したtestディレクトリに以下の様なファイルを作成します
.htaccess
RewriteEngine on
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-f
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-d
RewriteRule ^(.*)$ /test/404.html [L]
ディレクトリにて存在しないファイルやディレクトリを指定された際に転送する設定
index.html
<HTML>
<HEAD>
<TITLE>テストのトップ</TITLE>
<MMETA HTTP-EQUIV="content-type" content="text/html; charset=shift_jis">
</HEAD>
<BODY>
<H1>テスト用の先頭ページです。</H1>
</BODY>
</HTML>
TOPページとしてApacheの動作確認用のページを用意
404.html
<HTML>
<HEAD>
<TITLE>転送のテスト</TITLE>
<META HTTP-EQUIV="content-type" content="text/html; charset=shift_jis">
</HEAD>
<BODY>
<H1>残念ながら指定のページは見つかりませんでした。</H1>
</BODY>
</HTML>
ファイルやディレクトリが存在しない際に転送されるページを用意
ブラウザからアクセスしてみましょう。
続いて、URLマッピングのテストとして、次の様にアクセスしてみましょう。
以上でApacheの設定は完了です。
これで静的なHTMLのWebページを確認する環境が作成出来ました。
このシリーズでは、今回同様にインストール・環境設定・動作確認をセットにした構成で進めて行きます。
この様な記事が技術者の第一歩として、助けになれば幸いです。
2007/09/09
Webの開発環境を構築する